ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

七十二候 土潤溽暑 大暑次候

土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし

 

日の出時より
湧き上がり

 

静かに
積み上がりつつある
緑の積層

 

ふわふわと漂い
ぴとぴと
まとわりつく

 

「大地からの手紙なのです

 

今すぐに空へ
届けねばなりません

 

どうか どうか
僕たちを
青い あの大空へ

 

今すぐに
連れて行ってはくれませんか
お願いします」

 

「時が来れば
自ずとあの高みへと
昇って行けますでしょう

 

そう焦らずに
ここで待っていなさい」

 

ジリジリ太陽照りつける中
じりじりと待ち続ける

 

「急いでいるのです
まだでしょうか」

 

じっとり気持ちが重く沈んでいく

 

焦る気持ちとは裏腹に
何一つ行動は取れぬまま

 

「急いでいるのです」

 

返事はないまま
時だけが いたずらに過ぎていく

 

「・・・まだでしょうか」

 

 

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

8月2日へ続きます。

 

 

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