ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

 

ぱらぱらと
まいた豆は
春を迎える
仕度なのに

 

そんなことは
関係ないよと
朝にはハトの
朝食になるの

 

追われるとか言う
鬼のことも
迎え入れられるは
福のことも

 

人の勝手なことと
ついばんでいくよ

 

だって
美味しい
豆だもの

 

もう芽の出せない
豆のことを想って
美味しくいただくよ
春を迎える仕度にね

 

 

 

七十二候 雉始雊 小寒末候

雉始雊 きじはじめてなく

 

あぁ聞こえる
呼んでいる声

 

寒さをきりさき
静寂を破って 届く

 

  もう見え始めたんだ
  すぐそこまで来ている

 

  信じられないかもしれない
  けど ウソなんかじゃない

 

  始まりがすぐそこに
  分かるんだ
  もうすぐそこなんだ

 

まだ遠いけれど
聞こえてくる

 

近づいてくる

 

私は待っている
あなたの到来を

 

ここで待っている

 

 

 

 

→款冬華70

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七十二候 水泉動 小寒次候

水泉動 しみずあたたかをふくむ

 

くるり身を翻す

 

とろとろ微睡み

 

かすかなゆらぎ

 

もう始まってる

 

まだ見えぬ季節

 

訪れるその兆し

 

 

 

 

→雉始雊69

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七十二候 芹乃栄 小寒初候

芹乃栄 せりすなわちさかう

 

よーい どんっ!!

 

競って
争って

 

寒さなどには
負けない

 

我先に
一番に

 

吹き付ける風など
ものともせず

 

群を抜くのは
競り勝つのは

 

いったい 誰だ!!

 

 

 

 

 

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小寒

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七十二候 雪下出麦 冬至末候

雪下出麦 ゆきくだりてむぎのびる

 

ここで しばらく
じっとしていなさい

 

外はまだ君たちにとっては
厳しい季節だから

 

それが過ぎ去るまでは
こうして閉じておくからね

 

厳しさがゆるみ始めたら
私達とはお別れ

 

そうしたら君たちは外へ出られる

 

そこからは自由だよ
精いっぱい外の世界を謳歌してね

 

雪は あたたかに
そう 語りかける

 

 

 

 

 

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七十二候 麋角解 冬至次候

麋角解 さわしかつのおつる

 

春の芽吹き

夏へと成長を続け

 

秋にはおとろえ

冬には・・・・・・

 

そういう一生を送るのは

何も私達だけではないようで

 

ほら ここに 

落ちるのは

 

ある動物の頭上を飾っていた

ものだという

 

静寂をやぶり

眠る私達の上に落ちてきた

 

起きて見てみれば

まるで木の枝だね

 

実に立派だ

 

これから

命の糧に

なっていくのだろう

 

じっと 大地に

身を横たえているよ

 

 

 

 

 

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七十二候 乃東生 冬至初候

乃東生 なつかれくさしょうず

 

大方 周りは眠っている
そりゃそうさ 休息の季節だ

 

眠るのにぴったりな静寂の中
目を覚ますなんて 珍しい

 

季節を先取りかい
寒くはないのかい

 

まぁわるくはない

 

ちょうど相方がほしかったんだ
一人ではどうにも持て余してしまう
一緒にこの静寂を楽しもうじゃないか

 

そうすりゃ
この谷底の季節の寒さも
少しは和らぐというものだ

 

 

 

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冬至

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