季語 三春 霾(つちふる)
霾(つちふる)
さぁ行こう と
差し伸べられた手をとったんだ
全てはそこから始まった
まさか こんな遠くまで
山を越え
川を越え
街を越え
海すら越えて
こんな遠くに
たどり着くとは
おもいもしなかった
故郷はもう はるか遠く
親兄弟とは二度と
会うことはかなわないだろう
ここまで一緒だった友とも
途中ではぐれてしまった
それでも
これで良かった のだ と
おもう
そう言って
涙を拭く姿が忘れられない
長かった旅を終えた彼らの
ここが安住の地であることを
願わずにはいられない
風に舞い上げられた
はるか遠方の異国の砂は
空を淡く黄色に霞ませ
今 風と別れて
サラサラと舞い降りてくる
季語 霾(つちふる)とは
【解説】
春、空から砂塵が降ること。中国大陸の黄河流域の砂や土が春風に舞い上がり、海を越えて日本列島に降りしきる。多いときには遠くが黄色く霞んで見え、地上が黄色に染まることもある。
きごさい歳時記より