ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

七十二候 天地始粛 処暑次候

天地始粛 てんちはじめてさむし いつまでも かわらないそんなこと あるわけない 常に流れる時の中そこにあるものは常に移りかわっていく どんなに淋しくおもたって世の中 止まることは知らない もうここが限界なのさそろそろ休めと いうことさ かなしむなよ…

七十二候 綿柎開 処暑初候

綿柎開 わたのはなしべひらく 天を開いた うてな走りはじめる 僕ら ふわふわ 白い雲からでて どこまでもひたすらに翔けてゆく ねじねじ 螺旋を描いてくるくる 円を描いて どこまでも長くいつまでも永く 花の上を舞い葉の上を滑り土の上に遊ぶ 疲れなんて知ら…

七十二候 蒙霧升降 立秋末候

蒙霧升降 ふかききりまとう ゆらゆら 白い幕が立ちはだかる “お忘れ物はございませんか?” 目の前に 突如現れ 問いかける “こちらはあなたのものでは?” 差し出されたものに覚えはなく 「いいえ 違います」 “それではこちらは?” 「それも違います」 “お忘れ…

七十二候 寒蝉鳴 立秋次候

寒蝉鳴 ひぐらしなく 夕空へぱっと 手を振って また明日 はじまった季節の夕暮れ ぽつんとたたずむ姿をうつして なきつづける声が家路にこだまする →蒙霧升降39 pippinouta.hatenablog.com ←涼風至37 pippinouta.hatenablog.com

七十二候 涼風至 立秋初候

涼風至 すずかぜいたる それは 空の高くから降りてくる うん それで? いまだ残る夏の余韻を納めるために走り回るんだよ もう夏はいってしまったと静かに知らせて回るんだよ ふーん なんだか 淋しいな 仕方ないよ順番だからね 火照った大地を冷まして秋の居…

七十二候 大雨時行 大暑末候

大雨時行 たいうときどきにふる 「今です届けに 行ってきなさい 翔け上がって 空へ」 皆の体がふわり うきあがり軽々 大地を離れ 吸い上げられるように大空へ 高く高くへと昇っていく 草も木も 今まであれだけ大きく見えていたものがぐんぐん小さく 豆粒へと…