ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

七十二候 霎時施 霜降次候

霎時施 こさめときどきふる にっこり笑った青空が ポタポタ涙を流し始める あっと見上げた涙の空は もう笑う青空に戻っている もう大丈夫なの? 涙は終わったの? まだ どこか 悲しみを抱えたような空 泣いてもいいんだよ そんなに無理に笑わなくても →楓蔦…

七十二候 霜始降 霜降初候

霜始降 しもはじめてふる 見上げた空にはなんの痕跡も残っていなかった いつもの見慣れた景色がいつの間にか こんなことに しんと しずまる 世界いったい なにがおこったというのか まるで見当がつかない なにか いつもとかわったことはないか そういえば 今…

七十二候 蟋蟀在戸 寒露末候

蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり 宿る露がふるふる ふるえる冷たさにかわってしまうような 夜のことです 力なく トン トンと戸を叩くものが ありました 誰か訪ねて 来たのだろうかうかがっていると 「中に入れてはもらえないでしょうか外はもう寒くて 仕方ない…

七十二候 菊花開 寒露次候

菊花開 きくのはなひらく 薬なのだというよ 不老長寿の薬効があると ほら そこに咲く花に宿る 雫 とってきてあげるよ それを飲めば きっと もっと ずっと 一緒に居られるから 蜜のかわりに 飲めば きっと そっと 幕を下ろす命あり 花は静かに それを見守る ←…

七十二候 鴻雁来 寒露初候

鴻雁来 こうがんきたる 冴え渡る空の青さにはるか高くを渡る風を知る もう そろそろ だろうか しんと鎮まる空気に耳を澄ませてみる 声が 聞こえてきたりは しないだろうか するすると幕を下ろしてゆくだいだい色の空に目を凝らしてみる 見えてきは しないだ…

七十二候 水始涸 秋分末候

水始涸 みずはじめてかるる 事の成り行きを そっと 見守る 先から 端から するすると 少しずつ ひいて ゆく 生気を 一所に 集めて とじて ゆく これで おしまい 命の水を 少しずつ 返上して ゆく その姿を ただ そっと 見守る →鴻雁来49 pippinouta.hatena…