ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

仲秋

七十二候 水始涸 秋分末候

水始涸 みずはじめてかるる 事の成り行きを そっと 見守る 先から 端から するすると 少しずつ ひいて ゆく 生気を 一所に 集めて とじて ゆく これで おしまい 命の水を 少しずつ 返上して ゆく その姿を ただ そっと 見守る →鴻雁来49 pippinouta.hatena…

七十二候 蟄虫坏戸 秋分次候

蟄虫坏戸 むしかくれてとをふさぐ 寝ぼけ眼に桃の笑顔が映った 嬉しそうに舞い上がる蝶に心がふわり舞い上がった 雀の家の見学会に参加したその作りに感嘆した 桜を見たふわぁっと風に乗って旅立っていく後姿を いいかげん しっかり目を覚ませ雷様に怒鳴れた…

七十二候 雷乃収声 秋分初候

雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ お力添えいただき感謝申し上げます 私達だけでは到底ここまでたどり着くことは難しいことだったでしょう これほど 有り難いことはありませんどれだけ感謝をしても足りないくらいです うやうやしく頭を下げ続ける 稲穂…

七十二候 玄鳥去 白露末候

玄鳥去 つばめさる どうだい 上手くなっただろう 嬉しそうに 舞う ほら こんなことだって できるようになったよ 得意げに見せてくれる 確かに たくましく育ってくれた これからの 長い旅路 これで連れて行けるか 不安がないわけではない 旅立ちの時は迫って…

七十二候 鶺鴒鳴 白露次候

鶺鴒鳴 せきれいなく こっち こっちほらこっち こっち ちゃんとついて来て迷わないようにしばらく付き添うよ 惑わされないでしっかり歩いて そうそうその調子 疑わないで信じて 大事なことなんだよ そう言って 先を行っては立ち止まり また 先に行っては待っ…

七十二候 草露白 白露初候

草露白 くさのつゆしろし ひょいっと 一粒摘み上げられたら 空を透かして見てみようかそうしたらそこには何が見えるだろう? 草の葉の屋根を越えて 目覚める少し前の空の寝顔薄く流れ桃色に染まる雲の頬朝に溶け始めた仄かな月の横顔 キラリ光るこの玉にうつ…

季語 仲秋 無月

無月 もういいかいまぁだだよ もういいかいまだ だよ もういいかいもういいよ どこかな?どこかな? あっ !見いつけた 指さす空には 雲の後ろに隠れていたお月様が今 少し雲の隙間に姿をのぞかせて・・・・・・ くれるだけでもいいのにな

秋分 9月23日頃のこと

秋分 よいしょと腰をおろし 来た道仰ぎ見れば白く気が抜けて座込んでいる夏はいる 秋の真ん中で粧いを新たに咲く花を愛で眠りにつく前の命と春からの話に花を咲かせる一時を過ごし 行く道見下ろせば首を長くし待つ頬を緩ませる冬はいる 麓までにはまだ道半ば…

白露 9月8日頃のこと

白露 そっと葉の縁に結んでゆく ひとつ ひとつ慎重に 丁寧に ふーっと息をつくような些細なことでも 涙をながすようぽしゃりとおちてしまう そんな 繊細な いとなみ 寝静まる間に涼しさが生み出す 朝陽にキラキラ白く光る はかない 宝石 →秋分 pippinouta.ha…