ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

七十二候 草露白 白露初候

草露白 くさのつゆしろし

 

ひょいっと 一粒
摘み上げられたら

 

空を透かして見てみようか
そうしたら
そこには何が見えるだろう?

 

草の葉の屋根を越えて

 

目覚める少し前の空の寝顔
薄く流れ桃色に染まる雲の頬
朝に溶け始めた仄かな月の横顔

 

キラリ光るこの玉にうつる

 

この時間が持つ姿が
クルッととけ込んで
見えるかもしれない

 

そっと目の前を透かしてみたらどうだろう?

 

一足先に露草が青空をいっぱいに開いてる
朝一番にたでの花が赤いまんまを炊いてる
誰が一番遠くまでくずの香が競い合ってる

 

明ける光の中にきらり
ギュッと閉じ込められて
輝き始めるのかもしれない

 

風に吹かれれば
ぽちゃりときえてしまう

 

日が高くなれば
ふるふる縮んで
しゅわっときえてしまう

 

こんな はかない 結晶に

 

いったい

 

どんな世界が映るんだろう?

 

 

 

 

→鶺鴒鳴44

pippinouta.hatenablog.com

 

←禾乃登42

pippinouta.hatenablog.com

 

→白露

pippinouta.hatenablog.com