ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

2022-01-01から1年間の記事一覧

季語 冬 暮 名残の空

名残の空 さよならと手を振る いつもと違う 空というわけではないけれど けれどひとつ君は行ってしまう そこは特別な空 なんだ だから見送るんだ今日の空を さよならと手を振って

季語 冬 暮 数へ日

数へ日 ひとつ ふたつてのひらにのせて みっつ よっつかぞえてゆく いつつ むっつすくなくなった ななつ やっつこのとしは ここのつ とお ゆうやけこやけで また ひとつへってゆく

ある日 風と一緒の

風と一緒の 駐車場の片隅カラカラ カラカラ笑い声をあげて風と戯れる木の葉の姿がある 建物の陰くるくる くるくる風の通り道を渦を巻いて色を付けて見せる木の葉の姿がある よーいドンの風の掛け声に乗って楽しそうに一斉に走り出す木の葉の姿がある 紅色に…

季語 初冬 帰り花

帰り花 間違えたわけではないよ 小春がふくふくくすぐるんだもん ついついふふふって笑ってしまったんだ 小春も一緒になってころころ笑っていたよ もうすっかり目がさめちゃったから話に花を咲かせちゃったんだ と 木枯らしに吹かれゆらゆら揺すられぽっぽと…

季語 初冬 小春

小春 間違えないでほしいんだ決して春というわけではないから 暖かいでしょでもね 今は冬 主役はね寒さなんだ だからこの暖かさだって陽の高い間だけ 油断してはダメだよ 真冬に備えてやっておくこといっぱいあるでしょそのためにこの時間を使ってほしいんだ…

季語 初秋 花火

花火 ぱぁんと咲いてあっさり散ってゆくね淋しくないのかな うるさすぎやしないかいあの大きな音が気に入らんよどっきとするよ 普段は見向きもしないのにね花なら明るい時間に 咲いているのを見たらいいだろう 人が多いねこの暑いのにこんなに集まらなくたっ…

麦茶

麦茶 あら こんなに汗をかいてまぁ座布団までがびっしょり。 今日も暑くなりましたね。 風鈴、チリンともなりませんね。少しは風も通ってくれたらいいのに・・・・・・。 蝉の声が相変わらずにぎやかですね。それでもどこか静けさを感じるのはなぜでしょう。不思議…

季語 晩夏 片蔭

片蔭 少しでもよけたい避けたい そんなに嫌わないでかなしいでしょう とは言ってもねだって暑いしじりじり焼かれるのも つらいのよ 道の片隅 歩いてく どっちにしたって両方とも あなたのつくったものなのよ また冬にはありがたくあたらせてもらうから 今は…

季語 晩夏 夏休み

夏休み なんだか 恥ずかしいくらいまっさらな 水が張られて ひと時は こわいくらいに騒がしかったのが これまた こわいくらいに静かになって久しい これはいったい どうしたことかと問われても こっちも別に 詳しいわけでもないだから 分からない まぁ こん…

季語 三夏 打ち水

打ち水 お日様も西に帰ってゆく頃 いまだに暑さは炎の真似ごとに勤しんでいるものだから もういい加減お家に帰りなさいと パシャリ頭から水をかけて消火に努める じゅうじゅう何やら文句を言いながら暑さは右往左往小さく縮んでいく また明日ね別れを言うと…

季語 仲夏 五月晴れ

五月晴れ 暑さの次に五月雨が休みを取ったらしく久しぶりに洗濯物が気持ちよく干せますそれはいいのですが 暑さの休暇中を夏らしくないと言った事に腹を立てた顔を真っ赤にした まとわりつくような暑さが訪れましてふーとため息が出てしまいます 勝手なこと…

季語 仲夏 梅雨寒

梅雨寒 パシャ パシャ雨はもう何日も降り続いておりますそれゆえお日様が恋しくなったのでしょうここのところずいぶん冷えるとおもったらどうやら暑さは休みを取ってどこかへでかけているというのです どこへ出かけたというのでしょうかねなんとも夏らしくな…

季語 仲夏 五月雨

五月雨 お日様の刻む暦も6月に入りましてしっかり 梅雨を迎えております それゆえに 雨は心地良さそうに自信たっぷりな様子で降り続けており あちらからも こちらからもぽちゃ ぱちゃ ちゃぷんなどと楽しそうなおしゃべりが聞こえてきます そんなおしゃべり…

季語 初夏 筍流し

筍流し 茶色の衣にくるまれて幼い竹の子は土の上に 腰をおろしただただ おとなしく聞いている いいですか この時期の このような風は 大体 雨を連れてきます 気をつけましょうね よく覚えておくように と 青々とした背の高い大人の竹はさわさわ 葉をふれ合わ…

季語 初夏 薄暑

薄暑 確実に 夏へと一歩踏み出して今暖かさは 着実に 暑さへと姿をかえつつあるのだなぁ と 袖をまくる

季語 初夏 余花

余花 寝坊した遅刻した出遅れた 舞台に上がれば場面はもうすっかり移り変わり 真っ白に降り注ぐ陽光に若葉がキラキラ輝く季節 場違いもいいところだ居心地のわるさを感じつつ 葉陰にちらちら控えめに花はそれでも立派に咲いている

季語 仲春 雪の果

雪の果 夏ではないけれど僕らには辛い 折り返した太陽はもうずいぶん高くまで 寒さは 締りをなくしすっかりゆるんでいる 降りてゆく途中で耐えられず涙を流してとけてゆく子も これではもうなかなか届かない 残念だけれど引き際ってのも大事 帰る仕度を整え…

季語 仲春 初雷

初雷 起こしてくれるなとは 言わないよ春だもの起こしてくれるのは ありがたい事だよ だけれどねもっとほかに起し方はあるでしょう 巣穴を出て ねぼけまなこをこすりながらピカピカ ゴロゴロ騒がしい空を見上げている

大寒 1月20日頃のこと

大寒 ころころ と降下を続け 谷の最深部を目指しころがり続け そうしてついには谷底へと 到達する 天下を取った気分なのだろうかなにものをも ふるえ上がらせる冴え冴えとした表情凛々しいその立ち姿 これはもう立派と言うほかはないすっかり大きくまるまっ…

小寒 1月6日頃のこと

小寒 いよいよ ここからわれらの 時節よとザワザワ ザワザワ騒ぎ立てる 寒さは まぶしく真っ白にひかり ころころ ころころ楽しげに 斜面をころがりおりてゆく 日に日に 谷は深くなりさて どこまでゆけるのか寒さの 下降はここから 本番を迎えるのだという →…

冬至 12月22日頃のこと

冬至 やっとのことでたどり着く すっかり寝静まる麓は懐かしく落ち着く場所 かじかむ手を暖め強張る体を皆の眠るここに休め僅かな安らぎを得 この地は離れがたいが再び新たな旅へ向かう 頂きへと歩みを進めてゆく →小寒 pippinouta.hatenablog.com 大雪← pip…

小雪 11月22日頃のこと

小雪 久しぶりただいま とはじまる ちらちら ちらちら舞いおろしてゆくまだまだ積めはしないけれど 久しぶりおかえり とむかえる ちらちら ちらちら舞いおりてくるまだまだ積りはしないけれど 冷えてゆく大気に雨はゆき ここから始まりの雪は舞う →大雪 pipp…

立冬 11月7日頃のこと

立冬 日陰に座って ふわわとひとつ大きなあくび むにゃむにゃとまた眠りにつこうとしている そこは寒いでしょうこっちの日向なら暖かなのに そう言ってみてもやはり冬はそこが心地よいと見えて 小柄な姿でゆったりと夢の世界へ潜り込んでゆく 冬はまた居眠り…

季語 晩秋 行く秋

行く秋 コトリ音を ひとつたてて 行ってしまう これですべて 届けおえましたそれではまた会いましょう と 秋の背中は夕焼けの中に静かに溶けていきます

季語 晩秋 秋惜しむ

秋惜しむ 行かないでほしいんだ まだいてほしいんだ かきくりかぼちゃ なしいもぶどう おいしい おもいで

霜降 10月23日頃のこと

霜降 さすがにここまで来ると今までのようにはいかない 結ぼうにもかたくてすぐに パキッと折れてしまう そのうちぱらぱらと細かく砕けていって 朝にはあたり一面を真っ白にさらさら飾ってしまう →立冬 pippinouta.hatenablog.com 寒露← pippinouta.hatenabl…

寒露 10月8日頃のこと

寒露 どうりで震えが止まらないわけです いつのまにか結ぶ手が寒さへと姿をかえています と わずかな 明かりにかすかにふるえている 姿が見えます 生みだされてゆく露はすっかり冷えて季節はまた一段と深まったとそう いうのです →霜降 pippinouta.hatenablo…

季語 仲秋 無月

無月 もういいかいまぁだだよ もういいかいまだ だよ もういいかいもういいよ どこかな?どこかな? あっ !見いつけた 指さす空には 雲の後ろに隠れていたお月様が今 少し雲の隙間に姿をのぞかせて・・・・・・ くれるだけでもいいのにな

季語 初秋 赤のまんま

赤のまんま おもちゃのお椀によそわれた赤いめでたいごはんはね どろんと 化けた私らと仲良く遊ぶ 一緒に 化けたたでの花 さぁ 召し上がれ

季語 初秋 荻の声

荻の声 よーく耳を澄ませてごらん 風はさらさら荻をならしてゆく 聞こえるだろう 巡ることをうつろうことを届ける 声が 荻がさらさら秋を知らせている