ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

仲冬

七十二候 雪下出麦 冬至末候

雪下出麦 ゆきくだりてむぎのびる ここで しばらくじっとしていなさい 外はまだ君たちにとっては厳しい季節だから それが過ぎ去るまではこうして閉じておくからね 厳しさがゆるみ始めたら私達とはお別れ そうしたら君たちは外へ出られる そこからは自由だよ…

七十二候 麋角解 冬至次候

麋角解 さわしかつのおつる 春の芽吹き 夏へと成長を続け 秋にはおとろえ 冬には・・・・・・ そういう一生を送るのは 何も私達だけではないようで ほら ここに 落ちるのは ある動物の頭上を飾っていた ものだという 静寂をやぶり 眠る私達の上に落ちてきた …

七十二候 乃東生 冬至初候

乃東生 なつかれくさしょうず 大方 周りは眠っているそりゃそうさ 休息の季節だ 眠るのにぴったりな静寂の中目を覚ますなんて 珍しい 季節を先取りかい寒くはないのかい まぁわるくはない ちょうど相方がほしかったんだ一人ではどうにも持て余してしまう一緒…

七十二候 鱖魚群 大雪末候

鱖魚群 さけのうおむらがる なぜ上るのだろうせっかく下ったというのに 上るのなら 下らなければいい下るのなら 上らなければいい それだけのことなのだ 無駄なことじゃないか分かってはいるんだ どうしてだろう 無性にいきたいんだこの水が懐かしいんだ上ら…

七十二候 熊蟄穴 大雪次候

熊蟄穴 くまあなにこもる ほら 見てごらん山があんなに白い もう すっかり冬だね あそこは ここよりももっと寒かろうね きっと 寒くて寒くてこごえてしまうだろうね 山の生き物たちはどうしているだろう 寒さにふるえていないかな 大丈夫だよ おやすみのあい…

七十二候 閉塞成冬 大雪初候

閉塞成冬 そらさむくふゆとなる 空は雲に覆われて塞がれて 大地は雪に覆われて閉ざされて 交わされる言葉は今はなく お互い命栄える季節の夢を見る 湧き上がる命の鼓動を勢い溢れる命の跳躍を満ち満ちる命の歓喜を にぎわっていたあの頃はすっかり重たい沈黙…

冬至 12月22日頃のこと

冬至 やっとのことでたどり着く すっかり寝静まる麓は懐かしく落ち着く場所 かじかむ手を暖め強張る体を皆の眠るここに休め僅かな安らぎを得 この地は離れがたいが再び新たな旅へ向かう 頂きへと歩みを進めてゆく →小寒 pippinouta.hatenablog.com 大雪← pip…

大雪 12月7日頃のこと 

大雪 ひとひら ひとひら ずつはとても 小さなものだけれど 地道に 積み上げてゆけば大きな成果も 得られるというもの それも ひとえに寒さのいてくれるおかげ だれひとり かけることなくずんずん ずんずん雪は 深く降り積もってゆく →冬至 pippinouta.hatena…