24節気
大寒 ころころ と降下を続け 谷の最深部を目指しころがり続け そうしてついには谷底へと 到達する 天下を取った気分なのだろうかなにものをも ふるえ上がらせる冴え冴えとした表情凛々しいその立ち姿 これはもう立派と言うほかはないすっかり大きくまるまっ…
小寒 いよいよ ここからわれらの 時節よとザワザワ ザワザワ騒ぎ立てる 寒さは まぶしく真っ白にひかり ころころ ころころ楽しげに 斜面をころがりおりてゆく 日に日に 谷は深くなりさて どこまでゆけるのか寒さの 下降はここから 本番を迎えるのだという →…
冬至 やっとのことでたどり着く すっかり寝静まる麓は懐かしく落ち着く場所 かじかむ手を暖め強張る体を皆の眠るここに休め僅かな安らぎを得 この地は離れがたいが再び新たな旅へ向かう 頂きへと歩みを進めてゆく →小寒 pippinouta.hatenablog.com 大雪← pip…
小雪 久しぶりただいま とはじまる ちらちら ちらちら舞いおろしてゆくまだまだ積めはしないけれど 久しぶりおかえり とむかえる ちらちら ちらちら舞いおりてくるまだまだ積りはしないけれど 冷えてゆく大気に雨はゆき ここから始まりの雪は舞う →大雪 pipp…
立冬 日陰に座って ふわわとひとつ大きなあくび むにゃむにゃとまた眠りにつこうとしている そこは寒いでしょうこっちの日向なら暖かなのに そう言ってみてもやはり冬はそこが心地よいと見えて 小柄な姿でゆったりと夢の世界へ潜り込んでゆく 冬はまた居眠り…
霜降 さすがにここまで来ると今までのようにはいかない 結ぼうにもかたくてすぐに パキッと折れてしまう そのうちぱらぱらと細かく砕けていって 朝にはあたり一面を真っ白にさらさら飾ってしまう →立冬 pippinouta.hatenablog.com 寒露← pippinouta.hatenabl…
寒露 どうりで震えが止まらないわけです いつのまにか結ぶ手が寒さへと姿をかえています と わずかな 明かりにかすかにふるえている 姿が見えます 生みだされてゆく露はすっかり冷えて季節はまた一段と深まったとそう いうのです →霜降 pippinouta.hatenablo…
秋分 よいしょと腰をおろし 来た道仰ぎ見れば白く気が抜けて座込んでいる夏はいる 秋の真ん中で粧いを新たに咲く花を愛で眠りにつく前の命と春からの話に花を咲かせる一時を過ごし 行く道見下ろせば首を長くし待つ頬を緩ませる冬はいる 麓までにはまだ道半ば…
白露 そっと葉の縁に結んでゆく ひとつ ひとつ慎重に 丁寧に ふーっと息をつくような些細なことでも 涙をながすようぽしゃりとおちてしまう そんな 繊細な いとなみ 寝静まる間に涼しさが生み出す 朝陽にキラキラ白く光る はかない 宝石 →秋分 pippinouta.ha…
処暑 あれだけ 騒がしく降りしきっていた声はすっかり 遠のいて 暑さはどこか淋しそう ぼんやり仰いだ空はすーっと高くあの頃の色はもういない 草の間から一心に誰かを呼んでいる鈴の声が聞こえてくる ほぅと ひとつ息を 吐いた暑さは うつむいてしまう この…
夏至 ようやくたどり着く きらきらと輝き滴るほどに色濃く命満ち溢れる頂きで躍動する生命達と一時を共にして また麓へと歩みゆく →小暑 pippinouta.hatenablog.com 芒種← pippinouta.hatenablog.com
穀雨 希望を胸に今ようやく目覚めようとするこの小さな命をしっかりと抱きしめて あなたが贈るこの暖かな想いを受け止め これから共にこの小さな命を守り育んでゆけることを嬉しくおもう 春の暖かな雨が母なる大地を潤して静かに降っている →立夏 pippinouta…
大雪 ひとひら ひとひら ずつはとても 小さなものだけれど 地道に 積み上げてゆけば大きな成果も 得られるというもの それも ひとえに寒さのいてくれるおかげ だれひとり かけることなくずんずん ずんずん雪は 深く降り積もってゆく →冬至 pippinouta.hatena…
立秋 まだ暑いだろう 葉陰に入って汗をぬぐってパタパタやっている これだけ騒がしくやっている最中だよそんな気になんかならないよほら見てみなよ 百日紅が枝先で花を咲かせているよ向日葵だってすっくと背筋を伸ばして花を咲かせているよ 耳を澄ませなくた…
大暑 じゅわじゅわ と上昇を続け 本当の頂きを目指し登り続け そうしてついには頂上に 到達する 天下を取った気分なのだろうか胸を張り 堂々とした立ち姿誇らしげな 表情 これはもう立派と言うほかはない大きく成長してはちきれんばかりになった暑さはこの夏…
小暑 いよいよ ここからわれらの 時節よとそわそわ わくわくしている様子の 暑さは きらきらと 目を輝かせ 起伏のある斜面を一心に頂上を目指しじゅわ じゅわ上昇を続けている 日々 頂きは更新されてさて どこまでいけるのか暑さの登頂はここから 本番を迎え…
清明 走り回って はね回って 転げ回って 歌って 踊って 笑って 開いて 広げて 伸びて ぎゅっと縮めていたからだをときほぐし すっかり生命はときはなたれて 野原に山にとむじゃきに遊んでいる →穀雨 pippinouta.hatenablog.com 春分← pippinouta.hatenablog.…
春分 トントンとかけのぼり 来た道振り返れば別れを惜しみ涙する冬はいる 春の真ん中で花咲く野原に笑いあう目覚めた命と一緒にうたい 行く道振り仰げばまだ着かぬかさわぐ夏はいる 頂きまではまだ道半ば →清明 pippinouta.hatenablog.com 啓蟄← pippinouta.…
芒種 ツンと生えている 角は別におにの証拠じゃない一角獣ってわけでもない動物じゃないのだから 自由にどこかへ出かけて行くことはできないけれど降り立った場所でしっかり大地を掴み未来を紡いで行くことはできる それがここから これから はじめる種 とし…
小満 競い合い 励まし合い 支え合い どんな日和にもめげずに 諦めずに くじけずに 日一日と 地道に 歩み続けて 今 ようやく ここに 生命は あと一歩 満開の時を 迎えようとしている →芒種 pippinouta.hatenablog.com 立夏← pippinouta.hatenablog.com
立夏 パッアンと いせいよくはじけとんで降り注ぐのは 真っ白に輝く夏の子ども まだ春でしょうという周りの疑問なんてお構いなしに それはもう元気に駆け回っている →小満 pippinouta.hatenablog.com 穀雨← pippinouta.hatenablog.com
啓蟄 重たい瞼をこじ開けてそろそろ起きないとそうは思うけれどまだ眠たい 春が訪れて 暖かくなったのは知っているとは言っても 朝晩はまだ冷えるでしょうもう少し お布団にくるまっていたいけれど なんか暦とかいうものによるとそろそろ起きなくちゃいけな…
雨水 じきに降り出すだろうものの色はたぶん今までとは異なる色なんだとそうおもうんだ 私たちはじきにそのものと一緒にここから立ち去ることになるのだけれどそれは別にかなしいことなんかじゃなく当たり前のことでいつものことなんだ また必ず会えるよ そ…
立春 あっと 気付けばこんな ところに ぴょこんと 顔を覗かせて 吹きすさぶ寒さなどどこ吹く風と やわらかな 陽射しのなか はじまりの 一歩を踏みだしてうれしそうに笑う幼い春がいる →雨水 pippinouta.hatenablog.com 大寒← pippinouta.hatenablog.com ー・…