ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

初春

七十二候 草木萠動 雨水末侯

草木萠動 そうもくめばえいずる そぼ降る細い筆 かすかな音を立てて まだ眠る枯野に 呼びかけている さぁ起きて もう起きて 筆先には 柔らかな緑色を たずさえて ぽしゃり ぽちゃり ぽちゃり ぽしゃり 知らぬ間にあたりは ぬりかえられて よーいどん!!なん…

七十二候 霞始靆 雨水次侯

霞始靆 かすみはじめてたなびく 遠くで誰かが呼んでいるようないないような すぐそこに誰かがいるようないないような あたたかな なにかにふれているようないないような どうも はっきり しない ぼんやりした 頭はまだ 目覚めきって いないというような 現れ…

七十二候 土脉潤起 雨水初侯

土脉潤起 つちのしょううるおいおこる ドサリ驚くほどの大きな音もするけれど ピチャピチャ ポチャポチャさえずるような音も聞こえる じきに元気に駆け出すような音も聞こえ始めるでしょう それを待たなくてもじんわり太陽のぬくもりのようなやさしさは届い…

七十二侯 東風解凍 立春初侯

東風解凍 はるかぜこおりをとく 固く結わえつけられた 結び目を ゆっくりゆっくり やわらかくときほぐして ひとつひとつを 丁寧に 春風は解き放ってゆく →黄鶯睍睆2 pippinouta.hatenablog.com ←鷄始乳 pippinouta.hatenablog.com

季語 初春 下萌

下萌 がさがさ ざわざわと 枯れ草をかき分けて寒さが風と連れだって走り抜けていったよ 春が来たとはいってもねまだまだ寒さでいっぱいだから 枯れ草はほっとしていたよ隠し通せたからね ここにいれば平気だよここは暖かなんだよ 枯れ草の下でおさない芽がそ…

七十二候 魚上氷 立春末候

魚上氷 うおこおりをいずる 堅く閉ざされていた天井は 少しずつほどかれてゆく差し伸べられる明かりから ほのかな温もりが届くいつの間にかながれの中の においがかわっている 春なのだ 勢いよく あふれだすよろこびをいっきに はじけさせて 魚は開いた 氷を…

七十二候 黄鶯睍睆 立春次候

黄鶯睍睆 うぐいすなく 夜明け前から目は覚めていたのです 大丈夫大丈夫と言い聞かせて この日のためにしっかり支度は積んできたのです それでも失敗してしまうのではないかと緊張してしまいますが そんなことをおそれてはいられません届けなければならない…

季語 初春 冴返る

冴返る さえかえる ほっ と一息ついてぽかぽか ぬくぬく春が来たと気を抜いていたら はっ と驚かされるコチコチ カチカチまだまだいるよ気を抜くなよ ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

季語 初春 薄氷

薄氷 うすらい うすらひ ピリピリ音を立てながら薄く張った氷を細い脚で 渡っていくそっとそっと だいぶ衰えたもうこんなしか できないなんて淋しくなる パリンとわれてあっ という間に水といっしょに 見えなくなる 岸に座ってまた明日氷の張ることを 願う …

季語 初春 余寒

余寒 おまけなんかじゃないよあまりなんかじゃないよそんなんじゃないよ 順番なんだまだなんだ・・・・・・ だけれどもう少しあともう少しだけ だからいさせておくれ 湧きあがりつつある暖かさに戸惑いながらも寒さは 居座りつづけている ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

季語 初春 かたゆき

堅雪 さぁ 渡って行きなさい 踏み出す 一歩をしっかりと受け止めて 自由に歩いてゆけばいい と 雪は 春とふれあった後の寒さに堅く凍りついている ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 堅雪は、初春の季語です。 堅雪とは、春になり溶けかけた雪が夜の寒さで堅く凍りついた…

雨水 2月19日のこと

雨水 じきに降り出すだろうものの色はたぶん今までとは異なる色なんだとそうおもうんだ 私たちはじきにそのものと一緒にここから立ち去ることになるのだけれどそれは別にかなしいことなんかじゃなく当たり前のことでいつものことなんだ また必ず会えるよ そ…

立春 2月4日のこと

立春 あっと 気付けばこんな ところに ぴょこんと 顔を覗かせて 吹きすさぶ寒さなどどこ吹く風と やわらかな 陽射しのなか はじまりの 一歩を踏みだしてうれしそうに笑う幼い春がいる →雨水 pippinouta.hatenablog.com 大寒← pippinouta.hatenablog.com ー・…