ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

季語 初春 薄氷

薄氷  うすらい うすらひ

 

ピリピリ
音を立てながら
薄く張った氷を
細い脚で 渡っていく
そっとそっと

 

だいぶ衰えた
もうこんなしか できないなんて
淋しくなる

 

パリンとわれて
あっ という間に
水といっしょに 見えなくなる

 

岸に座って
また明日
氷の張ることを 願う

 

暖かくなる春
去りつつある寒さに
涙は流れる

 

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