ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

七十二候 牡丹華 穀雨末侯

牡丹華 ぼたんはなさく 春の門出豪華絢爛 遠ざかる後ろ姿 静かに座り崩れることなく見送る牡丹 ・ー・ー・ー・ー・ー・ 穀雨末侯牡丹華。 春はここまでです。 5月6日には二十四節気、立夏を迎えます。 →蛙始鳴19 pippinouta.hatenablog.com ←霜止出苗17 …

七十二候 霜止出苗 穀雨次侯

霜止出苗 しもやんでなえいづる ばいばい それじゃまたね 別れとはなんと淋しいことだろう けれど こうして別れがあるから次が始まるのだよね ぐっと背を伸ばして成長を始められるのは この別れがあってこそ これからは君たちの出番なんだ 自信を持って 歩ん…

七十二候 葭始生 穀雨初侯

葭始生 あしはじめてしょうず つん つん つんこれが始まり ほらここにも そこにも まるで牙のようだとも角のようだとも こわいことなんてなんにもないよ これから ぐっと大きくなって 下には君たちの上には僕たちの 大事な休憩場所 避難場所家にもなるんだよ…

七十二候 虹始見 清明末侯

虹始見 にじはじめてあらわる 隠れているつもりはない どこにでもいて実は溢れかえっている それなのに 誰も気づいていない でもこの時が来たんだずっと待っていたんだ やっと自己表現ができる 嬉しい ほら これがそうここに映るのが世界に溢れる彩りの基本 …

七十二候 鴻雁北 清明次侯

鴻雁北 こうがんかえる 雲よ 今だけは隠さないでおくれ しっかり目に焼きつけて行ってほしいんだ そこからならよく見えるだろう 咲き誇るこの地の姿が 鮮やかに彩られる季節に帰って行く鳥たちへ 贈るよ 旅の無事を祈って →虹始見15 pippinouta.hatenablog…

七十二候 玄鳥至 清明初侯

玄鳥至 つばめきたる 風が吹き雨が降り草木が芽吹き花が咲き いつもとかわらず巡り訪れるこの季節に 馴染み深く懐かしい景色あの山この川 いつもとかわらず迎えてくれるこの故郷に 今年もこうしてまた巡り会えるよろこび ただいま →鴻雁北14 pippinouta.ha…

七十二候 雷乃発声 春分末侯

雷乃発声 かみなりすなわちこえをはっす ぽーっとしたまま まだ覚めきらない もうひと眠り うとうとと 夢の中に ゆったり舟を漕ぐ ぷっかり ぽっかり たゆたう そのさなかに出逢う 飛び起きるに十分な 目覚めの 一喝!! →玄鳥至13 pippinouta.hatenablog.…

七十二候 桜始開 春分次侯

桜始開 さくらはじめてひらく さっ始めましょう その一声にめを覚ます 降り注ぐまぶしい陽光にきたいが膨らむ 今年1番の大舞台 見事に演じきってみせましょう 1輪2輪 待ちに待った この時 幕が開く →雷乃発声12 pippinouta.hatenablog.com ←雀始巣10 …

七十二候 雀始巣 春分初侯

雀始巣 すずめはじめてすくう なんにもこわがることはないんだよ安心してここで待っておいで あなた達のために選んだこの場所は心配ないのだから 私達はいつでもあなた達の味方だよしっかり見守るから ぐっすりおねむり そうやって守り育んでくれた両親の作…

七十二候 菜虫化蝶 啓蟄末侯

菜虫化蝶 なむしちょうとなる むしゃむしゃいっぱい食べて ぐんぐん大きくなって 寒さでふるえる前に ぐるぐる暖かな おふとんに包まって じーっと待ち続けてきたんだ この時を →雀始巣10 pippinouta.hatenablog.com ←桃始笑8 pippinouta.hatenablog.com

七十二候 桃始笑 啓蟄次侯

桃始笑 ももはじめてさく ふわっとまいあがる はるのよろこびうけとめて ふふふとほころぶ ぎゅっととじてたちいさなつぼみ くすくすえみがあふれだし ついにはぱっとおおきく ころころわらいだすもものはな ←蟄虫啓戸7 pippinouta.hatenablog.com

七十二候 蟄虫啓戸 啓蟄初侯

蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく 扉を開けば どっとながれこんでくる あっとおどろく たっぷりの やわらかな陽光と ふくよかな香り 響きわたる 春を祝い合う喜びの歌 →桃始笑8 pippinouta.hatenablog.com ←草木萠動6 pippinouta.hatenablog.com →啓蟄 pip…

七十二候 草木萠動 雨水末侯

草木萠動 そうもくめばえいずる そぼ降る細い筆 かすかな音を立てて まだ眠る枯野に 呼びかけている さぁ起きて もう起きて 筆先には 柔らかな緑色を たずさえて ぽしゃり ぽちゃり ぽちゃり ぽしゃり 知らぬ間にあたりは ぬりかえられて よーいどん!!なん…

七十二候 霞始靆 雨水次侯

霞始靆 かすみはじめてたなびく 遠くで誰かが呼んでいるようないないような すぐそこに誰かがいるようないないような あたたかな なにかにふれているようないないような どうも はっきり しない ぼんやりした 頭はまだ 目覚めきって いないというような 現れ…

七十二候 土脉潤起 雨水初侯

土脉潤起 つちのしょううるおいおこる ドサリ驚くほどの大きな音もするけれど ピチャピチャ ポチャポチャさえずるような音も聞こえる じきに元気に駆け出すような音も聞こえ始めるでしょう それを待たなくてもじんわり太陽のぬくもりのようなやさしさは届い…

季語 仲春 雪の果

雪の果 夏ではないけれど僕らには辛い 折り返した太陽はもうずいぶん高くまで 寒さは 締りをなくしすっかりゆるんでいる 降りてゆく途中で耐えられず涙を流してとけてゆく子も これではもうなかなか届かない 残念だけれど引き際ってのも大事 帰る仕度を整え…

季語 仲春 初雷

初雷 起こしてくれるなとは 言わないよ春だもの起こしてくれるのは ありがたい事だよ だけれどねもっとほかに起し方はあるでしょう 巣穴を出て ねぼけまなこをこすりながらピカピカ ゴロゴロ騒がしい空を見上げている

穀雨 4月20日頃のこと

穀雨 希望を胸に今ようやく目覚めようとするこの小さな命をしっかりと抱きしめて あなたが贈るこの暖かな想いを受け止め これから共にこの小さな命を守り育んでゆけることを嬉しくおもう 春の暖かな雨が母なる大地を潤して静かに降っている →立夏 pippinouta…

季語 仲春 雪しろ

雪しろ 春の陽にぬるんでゆるんで雪たちは とかれてとけだし走りだし 野原に川にと駆け下る

七十二侯 東風解凍 立春初侯

東風解凍 はるかぜこおりをとく 固く結わえつけられた 結び目を ゆっくりゆっくり やわらかくときほぐして ひとつひとつを 丁寧に 春風は解き放ってゆく →黄鶯睍睆2 pippinouta.hatenablog.com ←鷄始乳 pippinouta.hatenablog.com

季語 晩春 花冷え

花冷え 宴もたけなわとなりましてすっかり花は咲きそろい喜んで騒ぐのは人ばかりではなく 粘りに粘って この時を首を長くして待ち続けていた寒さもやっぱり喜んで皆で花見に繰り出しているのです それゆえに今晩はこんなに冷えるのでしょう

清明 4月4日頃のこと

清明 走り回って はね回って 転げ回って 歌って 踊って 笑って 開いて 広げて 伸びて ぎゅっと縮めていたからだをときほぐし すっかり生命はときはなたれて 野原に山にとむじゃきに遊んでいる →穀雨 pippinouta.hatenablog.com 春分← pippinouta.hatenablog.…

春分 3月20日頃のこと

春分 トントンとかけのぼり 来た道振り返れば別れを惜しみ涙する冬はいる 春の真ん中で花咲く野原に笑いあう目覚めた命と一緒にうたい 行く道振り仰げばまだ着かぬかさわぐ夏はいる 頂きまではまだ道半ば →清明 pippinouta.hatenablog.com 啓蟄← pippinouta.…

季語 仲春 雪解雫

雪解雫 ゆきげしずく きらりひかるきぼう たかなるこどう ぽたりぽたりしたたる ゆきどけのしずく はるのしるし

季語 初春 下萌

下萌 がさがさ ざわざわと 枯れ草をかき分けて寒さが風と連れだって走り抜けていったよ 春が来たとはいってもねまだまだ寒さでいっぱいだから 枯れ草はほっとしていたよ隠し通せたからね ここにいれば平気だよここは暖かなんだよ 枯れ草の下でおさない芽がそ…

七十二候 魚上氷 立春末候

魚上氷 うおこおりをいずる 堅く閉ざされていた天井は 少しずつほどかれてゆく差し伸べられる明かりから ほのかな温もりが届くいつの間にかながれの中の においがかわっている 春なのだ 勢いよく あふれだすよろこびをいっきに はじけさせて 魚は開いた 氷を…

七十二候 黄鶯睍睆 立春次候

黄鶯睍睆 うぐいすなく 夜明け前から目は覚めていたのです 大丈夫大丈夫と言い聞かせて この日のためにしっかり支度は積んできたのです それでも失敗してしまうのではないかと緊張してしまいますが そんなことをおそれてはいられません届けなければならない…

季語 初春 冴返る

冴返る さえかえる ほっ と一息ついてぽかぽか ぬくぬく春が来たと気を抜いていたら はっ と驚かされるコチコチ カチカチまだまだいるよ気を抜くなよ ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

季語 初春 薄氷

薄氷 うすらい うすらひ ピリピリ音を立てながら薄く張った氷を細い脚で 渡っていくそっとそっと だいぶ衰えたもうこんなしか できないなんて淋しくなる パリンとわれてあっ という間に水といっしょに 見えなくなる 岸に座ってまた明日氷の張ることを 願う …

季語 初春 余寒

余寒 おまけなんかじゃないよあまりなんかじゃないよそんなんじゃないよ 順番なんだまだなんだ・・・・・・ だけれどもう少しあともう少しだけ だからいさせておくれ 湧きあがりつつある暖かさに戸惑いながらも寒さは 居座りつづけている ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー