ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

七十二候 朔風払葉 小雪次候

朔風払葉 きたかぜこのはをはらう いくものは遠慮するな どんっと 乗っかってこい 今 運んでやろう 次 行く先へ 心配はするな しっかり うけとめて 連れてゆく 安心して この風へ 身をまかせ 乗ってゆけ →橘始黄60 pippinouta.hatenablog.com ←虹蔵不見58…

七十二候 虹蔵不見 小雪初候

虹蔵不見 にじかくれてみえず 隠れてしまう わけではないんだ恥ずかしがっている わけでもないんだ ただ きかいがなくなってしまうだけ ちゃんといるんだよいつだって どこにだって ほら 見えるでしょう どこまでも高い空の青が色づいた樹の実の赤が寒さに負…

七十二候 金盞香 立冬末候

金盞香 きんせんかさく そうっと 揺れるのです さめざめ 冷めきった風に ふれられて ふるふる 揺れるのです その度に こぼれおちるのです 金の盃に なみなみ つがれた なんとも美しく きらめく香りが そうして あたりいっぱいに ながれだすのです 私はここに…

七十二候 地始凍 立冬次候

地始凍 ちはじめてこおる コクリコクリとふねをこぐ キラキラ 霜が白い粒をまき ムクムク 霜柱が力比べをしてる もう そろそろだろう はたらきつめて ため込んだ疲れを癒やす 体を横にして 乾いて 凍てつく時間 大地が眠りに就く また訪れる 命育む季節まで …

七十二候 山茶始開 立冬初候

山茶始開 つばきはじめてひらく 世界を枯色に染める風が吹き抜け勢いよく寒さをまき散らしてゆく それすらも気にすることなくきらり 花が咲く 鮮やかに染め抜かれた その色は誇らしげに開き 待っている お互い 願いをかなえる大切な来訪者を 命を支えるもの…

七十二候 楓蔦黄 霜降末候

楓蔦黄 もみじつたきばむ 赤に 黄に 橙にどの色にしましょうか 隣のあなたとは違う色で私だけの色で ひとつの色だけでも良いけれどふたつの色を重ねるのも良いね 旅立ちを 祝うための 粧いだから 錦の あでやかさで にぎやかに さいごに 燃え立つような 彩で…