ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

季語 晩夏 空蝉

空蝉

 

静かに
見送ったよ

 

そりゃ 悲しかったさ

 

あれだけ永く一緒に過ごしたんだから
悲しくないはずは ないだろう

 

さんざん泣いて
もうすっかり涙は涸れた
乾ききって カラカラになってしまったよ

 

今でも淋しくて仕方ないんだ
ぽっかり穴があいて
すっかりからっぽになってしまったよ

 

でもいいんだ
あいつは最後 元気に飛んでいったから
しっかり見送ることができたんだ
満足しているよ

 

風が吹いて
かさかさ 音を立てていきます

 

木立では いせいよく
蝉達が この短い夏を 謳歌しています

 

 

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

空蝉は蝉の抜け殻のことです。