冬
風花 すーっと澄み渡る空の青さに負けじと 真っ白に咲く花は風に乗って遠くから訪れる旅人 あっという間に散ってゆく 山の向こうから届くちらちらと舞うはかなき 雪の花
氷橋 すぐそこにあるようで隔てるものははるかに深い 届きそうで届かない所 求めるものを叶えてくれるそんな季節は今ここに訪れてようやく会える 音をなにひとつ立てることなく 寒さの育む水面の橋は向こう側とこちら側を近くに結ぶ
大雪 ひとひら ひとひら ずつはとても 小さなものだけれど 地道に 積み上げてゆけば大きな成果も 得られるというもの それも ひとえに寒さのいてくれるおかげ だれひとり かけることなくずんずん ずんずん雪は 深く降り積もってゆく →冬至 pippinouta.hatena…
小春日和 ひらりひらりと 舞い降りて ひだまりの ベンチに腰掛け 楽しげに春からの おもいで話に 花を咲かせる 木の葉たち
凩 ぎゅっと握っていた手をはなす時それは さよならということ だからその時については慎重にならなくては そんなおもいは知らないのだろう 吹きすさぶ寒さをいっぱい連れた冬を知らせる風は 次から次へ梢と木の葉を引き離してゆく