ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

大暑 7月23日頃のこと

大暑 じゅわじゅわ と上昇を続け 本当の頂きを目指し登り続け そうしてついには頂上に 到達する 天下を取った気分なのだろうか胸を張り 堂々とした立ち姿誇らしげな 表情 これはもう立派と言うほかはない大きく成長してはちきれんばかりになった暑さはこの夏…

季語 晩夏 空蝉

空蝉 静かに見送ったよ そりゃ 悲しかったさ あれだけ永く一緒に過ごしたんだから悲しくないはずは ないだろう さんざん泣いてもうすっかり涙は涸れた乾ききって カラカラになってしまったよ 今でも淋しくて仕方ないんだぽっかり穴があいてすっかりからっぽ…

小暑 7月7日頃のこと

小暑 いよいよ ここからわれらの 時節よとそわそわ わくわくしている様子の 暑さは きらきらと 目を輝かせ 起伏のある斜面を一心に頂上を目指しじゅわ じゅわ上昇を続けている 日々 頂きは更新されてさて どこまでいけるのか暑さの登頂はここから 本番を迎え…

季語 仲夏 梅雨の月

梅雨の月 あまりにも明るく照らすものだからこれはひらかずには いられなかったんだ まぁいいだろうあれだけ降らせたのだから 今晩くらいは ほら カエルが早苗の間 写る姿にうたをやすんで見惚れているよ こういうのって粋な計らいなんて言ったりするのかな …

芒種 6月5日頃のこと

芒種 ツンと生えている 角は別におにの証拠じゃない一角獣ってわけでもない動物じゃないのだから 自由にどこかへ出かけて行くことはできないけれど降り立った場所でしっかり大地を掴み未来を紡いで行くことはできる それがここから これから はじめる種 とし…

小満 5月20日頃のこと

小満 競い合い 励まし合い 支え合い どんな日和にもめげずに 諦めずに くじけずに 日一日と 地道に 歩み続けて 今 ようやく ここに 生命は あと一歩 満開の時を 迎えようとしている →芒種 pippinouta.hatenablog.com 立夏← pippinouta.hatenablog.com

立夏 5月5日頃のこと

立夏 パッアンと いせいよくはじけとんで降り注ぐのは 真っ白に輝く夏の子ども まだ春でしょうという周りの疑問なんてお構いなしに それはもう元気に駆け回っている →小満 pippinouta.hatenablog.com 穀雨← pippinouta.hatenablog.com

軒下での夏 風鈴

風鈴 チリンチリンと鳴れば喜ばれる じっとして黙っていると睨まれる ジリジリ激しく鳴り続けると叱られるうるさいんだってさ ほどよく鳴るのが良いみたい 鳴るも鳴らないも私に決められることではないのにね 私はただ風に身をゆだねているだけなのにね

縁側での夏 蚊取り線香

蚊取り線香 ぐるぐる渦巻いて目を回してやろうと企むものなのか モクモク煙りをはいてなにもカも煙に巻いてやろうと目論むものなのか 身じろぎ一つせずただじっと座っている あるところではぶたの姿をかりてまたあるところでは金魚の姿をかりて 決して近づい…

夏のこと ラムネ

ラムネ むんぐっとおしこめられてムッスとしたふきげんそうな顔がガラスごしにゆがんで見える ぐるりとまわして眺めてみるとぷっくり 横にふくらんだりほっそり 縦にのびあがったりいろいろに見えておもしろい おもしろいなんておもったからだろうかぐるぐる…

夏の頃のこと ひと夏のつぶやき

ひと夏のつぶやき ただいまの声とともに 目の前に顔がある 真っ赤にほてった顔が 気持ち良さそうに 風に吹かれている とおもったらもう いってきまーす とかけだしていく いそがしいのだな タオルをくびにかけた ほてった顔が近づいてきて びっしょりあせを…

梅雨明けから立秋の頃のこと なつ、おしむ

なつ、おしむ せみのこえは なつをよぶこっちだよ こっちだよこっちをむいてよながかったとんねるをぬけてやっとあえるとむねをおどらせるせみはうれしそうに なつをよぶ こっちだよ こっちだよ こっちをむいてよ だけれど そのこえはとどかないのかなつのす…

6月のこと いってきます

書いたものを置いておく場所をここにつくりました。 いってきます なぜだか 花をいっぱい咲かせるレインコートを着てなぜだか 果物をいっぱい実らせるレインブーツをはいていっぱいのあめのなかへ かけだしていく はじけかえる みずたまり跳び回る 雨粒あふ…