ポケットの中庭

ゆっくり ゆっくりと 綴っています

七十二候 雀始巣 春分初侯

雀始巣 すずめはじめてすくう なんにもこわがることはないんだよ安心してここで待っておいで あなた達のために選んだこの場所は心配ないのだから 私達はいつでもあなた達の味方だよしっかり見守るから ぐっすりおねむり そうやって守り育んでくれた両親の作…

七十二候 菜虫化蝶 啓蟄末侯

菜虫化蝶 なむしちょうとなる むしゃむしゃいっぱい食べて ぐんぐん大きくなって 寒さでふるえる前に ぐるぐる暖かな おふとんに包まって じーっと待ち続けてきたんだ この時を →雀始巣10 pippinouta.hatenablog.com ←桃始笑8 pippinouta.hatenablog.com

七十二候 桃始笑 啓蟄次侯

桃始笑 ももはじめてさく ふわっとまいあがる はるのよろこびうけとめて ふふふとほころぶ ぎゅっととじてたちいさなつぼみ くすくすえみがあふれだし ついにはぱっとおおきく ころころわらいだすもものはな ←蟄虫啓戸7 pippinouta.hatenablog.com

七十二候 蟄虫啓戸 啓蟄初侯

蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく 扉を開けば どっとながれこんでくる あっとおどろく たっぷりの やわらかな陽光と ふくよかな香り 響きわたる 春を祝い合う喜びの歌 →桃始笑8 pippinouta.hatenablog.com ←草木萠動6 pippinouta.hatenablog.com →啓蟄 pip…

七十二候 草木萠動 雨水末侯

草木萠動 そうもくめばえいずる そぼ降る細い筆 かすかな音を立てて まだ眠る枯野に 呼びかけている さぁ起きて もう起きて 筆先には 柔らかな緑色を たずさえて ぽしゃり ぽちゃり ぽちゃり ぽしゃり 知らぬ間にあたりは ぬりかえられて よーいどん!!なん…

七十二候 霞始靆 雨水次侯

霞始靆 かすみはじめてたなびく 遠くで誰かが呼んでいるようないないような すぐそこに誰かがいるようないないような あたたかな なにかにふれているようないないような どうも はっきり しない ぼんやりした 頭はまだ 目覚めきって いないというような 現れ…

七十二候 土脉潤起 雨水初侯

土脉潤起 つちのしょううるおいおこる ドサリ驚くほどの大きな音もするけれど ピチャピチャ ポチャポチャさえずるような音も聞こえる じきに元気に駆け出すような音も聞こえ始めるでしょう それを待たなくてもじんわり太陽のぬくもりのようなやさしさは届い…

七十二候 鷄始乳 大寒末侯

鷄始乳 にわとりはじめてとやにつく ぐるり 見渡してみても 夜ともいえる静まり返った季節の姿が見えるだけ とても厳しくとてもつらい けれど それももうすぐ明ける 身体の内側に明かりが灯るのを感じる 朝の訪れを知らせている だから わたしは 始める ここ…

七十二候 水沢腹堅 大寒次侯

水沢腹堅 さわみずこおりつめる 最後まで必死に抵抗を続けていたんだ けれども遂にはぐるぐると巻き取られ結わえつけられ 時間の流れが止まってしまったかのように動くことができなくなってしまった 堅く堅く閉じられてしまったんだ 音一つも立てられない こ…

七十二候 款冬華 大寒初侯

款冬華 ふきのはなさく ツンっと 一突き 凍てつく大地を 突き上げて さぁ 外の世界へ 雪すら溶かして ふきあげろ いぶき 春より一足先に →水沢腹堅71 pippinouta.hatenablog.com ←雉始雊69 pippinouta.hatenablog.com →大寒 pippinouta.hatenablog.com

季語 冬 新年 初空

初空 はじめまして とすましがお いつもとかわらない空 だとおもうけれど でも新たに君は訪れている やっぱりパリッと 真新しい初めての 空なんだ だから迎えるんだ今日の空を はじめましてこれからよろしく と

季語 冬 暮 名残の空

名残の空 さよならと手を振る いつもと違う 空というわけではないけれど けれどひとつ君は行ってしまう そこは特別な空 なんだ だから見送るんだ今日の空を さよならと手を振って

季語 冬 暮 数へ日

数へ日 ひとつ ふたつてのひらにのせて みっつ よっつかぞえてゆく いつつ むっつすくなくなった ななつ やっつこのとしは ここのつ とお ゆうやけこやけで また ひとつへってゆく

ある日 風と一緒の

風と一緒の 駐車場の片隅カラカラ カラカラ笑い声をあげて風と戯れる木の葉の姿がある 建物の陰くるくる くるくる風の通り道を渦を巻いて色を付けて見せる木の葉の姿がある よーいドンの風の掛け声に乗って楽しそうに一斉に走り出す木の葉の姿がある 紅色に…

季語 初冬 帰り花

帰り花 間違えたわけではないよ 小春がふくふくくすぐるんだもん ついついふふふって笑ってしまったんだ 小春も一緒になってころころ笑っていたよ もうすっかり目がさめちゃったから話に花を咲かせちゃったんだ と 木枯らしに吹かれゆらゆら揺すられぽっぽと…

季語 初冬 小春

小春 間違えないでほしいんだ決して春というわけではないから 暖かいでしょでもね 今は冬 主役はね寒さなんだ だからこの暖かさだって陽の高い間だけ 油断してはダメだよ 真冬に備えてやっておくこといっぱいあるでしょそのためにこの時間を使ってほしいんだ…

季語 初秋 花火

花火 ぱぁんと咲いてあっさり散ってゆくね淋しくないのかな うるさすぎやしないかいあの大きな音が気に入らんよどっきとするよ 普段は見向きもしないのにね花なら明るい時間に 咲いているのを見たらいいだろう 人が多いねこの暑いのにこんなに集まらなくたっ…

麦茶

麦茶 あら こんなに汗をかいてまぁ座布団までがびっしょり。 今日も暑くなりましたね。 風鈴、チリンともなりませんね。少しは風も通ってくれたらいいのに・・・・・・。 蝉の声が相変わらずにぎやかですね。それでもどこか静けさを感じるのはなぜでしょう。不思議…

季語 晩夏 片蔭

片蔭 少しでもよけたい避けたい そんなに嫌わないでかなしいでしょう とは言ってもねだって暑いしじりじり焼かれるのも つらいのよ 道の片隅 歩いてく どっちにしたって両方とも あなたのつくったものなのよ また冬にはありがたくあたらせてもらうから 今は…

季語 晩夏 夏休み

夏休み なんだか 恥ずかしいくらいまっさらな 水が張られて ひと時は こわいくらいに騒がしかったのが これまた こわいくらいに静かになって久しい これはいったい どうしたことかと問われても こっちも別に 詳しいわけでもないだから 分からない まぁ こん…

季語 三夏 打ち水

打ち水 お日様も西に帰ってゆく頃 いまだに暑さは炎の真似ごとに勤しんでいるものだから もういい加減お家に帰りなさいと パシャリ頭から水をかけて消火に努める じゅうじゅう何やら文句を言いながら暑さは右往左往小さく縮んでいく また明日ね別れを言うと…

季語 仲夏 五月晴れ

五月晴れ 暑さの次に五月雨が休みを取ったらしく久しぶりに洗濯物が気持ちよく干せますそれはいいのですが 暑さの休暇中を夏らしくないと言った事に腹を立てた顔を真っ赤にした まとわりつくような暑さが訪れましてふーとため息が出てしまいます 勝手なこと…

季語 仲夏 梅雨寒

梅雨寒 パシャ パシャ雨はもう何日も降り続いておりますそれゆえお日様が恋しくなったのでしょうここのところずいぶん冷えるとおもったらどうやら暑さは休みを取ってどこかへでかけているというのです どこへ出かけたというのでしょうかねなんとも夏らしくな…

季語 仲夏 五月雨

五月雨 お日様の刻む暦も6月に入りましてしっかり 梅雨を迎えております それゆえに 雨は心地良さそうに自信たっぷりな様子で降り続けており あちらからも こちらからもぽちゃ ぱちゃ ちゃぷんなどと楽しそうなおしゃべりが聞こえてきます そんなおしゃべり…

季語 初夏 筍流し

筍流し 茶色の衣にくるまれて幼い竹の子は土の上に 腰をおろしただただ おとなしく聞いている いいですか この時期の このような風は 大体 雨を連れてきます 気をつけましょうね よく覚えておくように と 青々とした背の高い大人の竹はさわさわ 葉をふれ合わ…

季語 初夏 薄暑

薄暑 確実に 夏へと一歩踏み出して今暖かさは 着実に 暑さへと姿をかえつつあるのだなぁ と 袖をまくる

季語 初夏 余花

余花 寝坊した遅刻した出遅れた 舞台に上がれば場面はもうすっかり移り変わり 真っ白に降り注ぐ陽光に若葉がキラキラ輝く季節 場違いもいいところだ居心地のわるさを感じつつ 葉陰にちらちら控えめに花はそれでも立派に咲いている

季語 仲春 雪の果

雪の果 夏ではないけれど僕らには辛い 折り返した太陽はもうずいぶん高くまで 寒さは 締りをなくしすっかりゆるんでいる 降りてゆく途中で耐えられず涙を流してとけてゆく子も これではもうなかなか届かない 残念だけれど引き際ってのも大事 帰る仕度を整え…

季語 仲春 初雷

初雷 起こしてくれるなとは 言わないよ春だもの起こしてくれるのは ありがたい事だよ だけれどねもっとほかに起し方はあるでしょう 巣穴を出て ねぼけまなこをこすりながらピカピカ ゴロゴロ騒がしい空を見上げている

大寒 1月20日頃のこと

大寒 ころころ と降下を続け 谷の最深部を目指しころがり続け そうしてついには谷底へと 到達する 天下を取った気分なのだろうかなにものをも ふるえ上がらせる冴え冴えとした表情凛々しいその立ち姿 これはもう立派と言うほかはないすっかり大きくまるまっ…